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個を重んじる学びに背を押され 歴史の深淵を探る考古学の道へ
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令和4年度卒業 北杜市立甲陵高等学校卒 東北大学 文学部 人文社会学科
才教学園での9年間は「自信」と「人前で臆せず話す力」、目指す高校へ進学するための「確かな学力」を育んでくれた時間でした。在学中、印象に残っているのは、主演を務めた8年次のミュージカル『レ・ミゼラブル』です。仲間と一丸となって舞台を作り上げた熱量と、やり遂げた達成感は揺るぎない自信となり、今も自分の中に息づいています。合唱部ではテノールパートを一人で担い、責任を全うする力が養われました。また学習面でも、習熟度別の授業の中で先生方が一人ひとりに丁寧に向き合ってくださったことが、その後の学びへと続く確かな礎となりました。
卒業後は、同じく少人数制の校風に惹かれ、山梨県の甲陵高等学校へ進学しました。将来への方向性が定まったのは高校時代のことです。オープンキャンパスで訪れた東北の地で縄文文化の遺物の圧倒的な存在感に魅了され「この地で学びたい」と直感。その思いを胸にAO入試へ挑み、合格を果たしました。将来は歴史の魅力を、独自の視点から楽しく伝えられる人物になりたいと考えています。
そしてもう一つの夢が、日本を歩いて一周することです。電車や車では見過ごしてしまう路地裏の風景や、地に根ざした人々の営みなど、歩くことでしか出会えない景色の中に、歴史と文化の本質が宿っていると考えています。自らの足でそれらを確かめながら、未知の世界を探究し続けていきたいです。
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少人数の環境で磨かれた 思考力と数学への情熱を胸に
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令和4年度卒業 松本深志高等学校卒 大阪公立大学 理学部 数学科
才教学園での9年間を振り返り、印象に残っているのは質の高い日常と、仲間や先生との距離の近さです。1クラス20人程度という少人数制の中で、先生方は一人ひとりの個性を尊重しながら丁寧に関わり続けてくださいました。高校という異なる環境へ進んだことで、自分を素直に表現できていたあの9年間がいかに心地よく、恵まれたものであったかを改めて実感しました。また、友人との絆も大切な財産です。歳月を共に重ねる中で内面を理解し合い、自然体でいられる関係を築くことができました。今も定期的に集まり、会うたび良い刺激を受けています。生涯にわたり支え合える仲間を持てたのも、才教ならではの濃密な環境のおかげです。
数学の面白さに目覚めたのも才教での学びがきっかけです。公式の暗記だけでなく、本質を捉えながらもユーモアあふれる授業で、気づけば数学が大好きになっていました。さらに週1回の「数才クラス」にも所属し、論理パズルや難問に取り組む中で数学の多面的な魅力を体感することができました。
こうした才教での原体験も道標となり、大学では数学を専攻します。数学は一見、実用から遠い学問に思われがちですが、その抽象的な理論が現代の最先端技術を支えている点に強く惹かれます。大学という新たな舞台でも才教で培った「考え続ける姿勢」を大切に、真理を探究する数学という学問を楽しんでいきたいと思います。
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気高い志を自らの指針として 現場で積み重ねる経験と実践力
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平成27年度卒業 松本深志高等学校卒 東北大学 法学部卒
第79期司法修習生 合格歴:2024年予備試験/2025年司法試験
在学中、「気高い志を抱く人に」という言葉は、どこか遠いもののように感じていました。しかし、卒業後、文理選択や大学の学部選択といった岐路に立ち、ようやく自分の理想像を具体的に思い描けるようになりました。法曹を目指し、予備試験・司法試験という目標に向き合う中で、この言葉は自分の中で確かなものとなり、今では私の生き方の指針となっています。
現在、私は司法修習生として、最高裁判所が実施する一年間の研修に取り組んでいます。司法修習は、裁判官・検察官・弁護士といった法曹三者になるために必要な知識や技法を学ぶ実務研修です。その中で、複雑な事実関係を整理し、適切な法的評価を導く難しさに直面しながらも、丁寧に検討を重ねて最終的な結論に至る過程に大きなやりがいを感じています。また、多様な背景や価値観を持つ人と意見を交換する中で視野が広がり、「志」は一度定めて終わるものではなく、常に問い続け、深めていくものであると考えるようになりました。
法曹は、個々の紛争解決にとどまらず、社会の公正や正義の実現を担う職業です。私は、幅広い専門的知識に加え、他者に寄り添う共感力と、一つひとつの事案に真摯に向き合う誠実さを備えた弁護士を志しています。そして、将来は、磨き上げた知識と経験を活かして社会問題に向き合い、人々の権利を守ることで、社会の信頼に応え続けられる存在でありたいと考えています。
在校生の皆さんも、少しずつ将来を見据えつつ、「気高い志を抱く人に」という言葉を心に留め、他者とのつながりと日々の積み重ねを大切にしてください。目の前の小さな努力や多様な経験が積み重なって、将来の自分を支える大きな力になるはずです。
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才教で育まれた力を糧に 患者さんの人生に寄り添う医師へ
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平成28年度卒業 松本深志高等学校卒 信州大学 医学部 医学科卒
社会医療法人財団 慈泉会相澤病院 医師
国家試験に合格し、春から地元の相澤病院で医師としての一歩を踏み出しました。命を預かる責任の重さを実感しながらも、改めて目標に掲げているのは「患者さんやご家族の心に寄り添える医師」になることです。
才教学園で得られたものは数えきれないほどありますが、中でも一番は「振り返る習慣」です。小1からの9年間、行事や活動のたびにA4サイズの用紙が渡され、自身の良かった点や課題を文章化してきました。その習慣があったからこそ、学びや部活動において誰に言われるでもなく「何が改善点で、次はどうすべきか」を自然に分析できています。今後も、経験をその場限りにせず、振り返りをしながら着実に自分の力に変えていきたいと考えています。
将来は、膠原病内科を専門にしていきたいです。この分野は専門医の地域格差が大きく、適切な診断に辿り着けず苦しんでいる方が少なくありません。また、長く付き合う疾患も多いため、一人ひとりの人生に伴走し続けることが求められます。それは「家族のように寄り添う」という私の理想の医師像とも重なります。
私の根底にあるのは、才教時代に抱いた「世のため人のために尽くす」という志であり、それがなければ今の私はありません。卒業生であることを誇りに、これからも学び続けます。在校生のみなさんも、才教での日々を大切に、それぞれの夢を形にしていってください。