気高い
を抱くために

本校では、心身の発達段階に合わせ、4年・4年・1年の3期にわたりステップアップしていくよう、人格を育んでいきます。具体的には、志を芽吹かせる土壌作りとして、「倫理観」「愛」「勇気(チャレンジ精神)」に満ちた校風を築くため学年ごとにテーマを掲げ、日々の指導を行っています。

指導方針才教7つの基本方針

1.貪欲に、謙虚に、常に知力の向上に努めること

生徒の本分は「学びに励むこと」。
机上での学び、五感を使った活動を通しての学びなど、様々な刺激を受け、学び尽くそうとする気概を持つことが大切です。新しい知見をどこまでも吸収しようとする「貪欲さ」と、驕ることなく、物事の真理に率直に向き合う「謙虚さ」。これらを持ち合わせ学んでいくことで、未来の自分を作り上げる知力を磨き上げていかなければならないと考えます。

2.礼節を重んじ、人の心を慮ること

儒学を大成させた孔子は、人への親愛や、優しさを意味する「仁」を重要項目とし、その表れが礼だと説いています。「イ(にんべん)」に「二」と書くこの文字からも分かるように、人とのつながり(人間関係)は、先ずは相手を思いやり、その考えを尊重しない限り、決して良いものにはなりえません。人の心を慮り、人の心に寄り添うことこそ、いつの時代においても大切にしなければならないことだと考えます。

3.労を惜しまず、凡事を徹底すること

当たり前のことを当たり前に、挫けることなく日々積み重ねることが何よりも心の鍛錬となり、何事にも負けない強い心を育むことにつながります。心が強くなれば、人に対しての寛容さや優しさも自然と生まれ、「仁」を備えた、人の気持ちがわかる人として成長することができると考えます。労を惜しまず、凡事を徹底することの大切さを、学校生活の様々な取り組みの中で実感できるようにしていきます。

4.正直さを忘れず、卑怯な行いを恥とすること

いじめ、からかい、陰口悪口などは、人としてやってはならない卑怯な行為です。子ども達には、それを「人の恥」として真剣に考え認識してほしいと常に思っています。米国の文化人類学者のルース・ベネディクトは、日本の文化を「恥の文化」と規定しました。「恥を知る」ということは、日本の伝統的な美しい行動規範です。「何が恥か」を常に考え行動し、周りの人々を正しい方向に導くことのできる人に成長してほしいと願っています。

5.何事にも前向きに、全力で取り組むこと

日々の学習や数多くの学校行事において、本校では、前向きにそして全力でそれらに取り組む姿勢を何よりも大切にしています。前向きに全力で取り組むことは、子ども達が、学校生活の中で数々の成功体験を収める礎となります。そして、数多くの成功体験は、子ども達が自信を深め、自己肯定感を育んでいくことにつながり、やがては主体性や自立心といった義務教育課程の中で習得しなければならない力の芽生えを促すと考えます。

6.理想を掲げ、果敢に挑戦すること

高いハードルを設定し、乗り越えるために全身全霊を込めて挑戦することではじめて魂が揺さぶられる感動を体験することができます。感動を積み重ねることで、精神が洗練され、「善の心」が芽生えます。そして、それこそが世の中を正しい方向に導き、人々に幸福をもたらす気高い志の芽吹きにつながります。子ども達の「全力・真剣な挑戦」が尊重される「安心・安全な環境」を作り出すことは本校の大切な使命の一つと考えます。

7.日本の伝統や文化を大切にすること

グローバル化が叫ばれている今だからこそ、生まれ育ってきた自国の伝統や文化をきちんと学び、理解しなければいけません。そして、それらを理解するだけでなく、大切にする気持ちを持って、誇りを持って、自立した人として世界にかかわっていかなければならないと考えます。国、国を形づくる地域社会、それを構成する世帯、そして自らを取り巻くすべての人々とのつながりに感謝し、力を注げる人になってほしいと願っています。

ステップシステム4.4.1

源人格を築く

吸収能力と習得能力に優れた時期である1年生から4年生の間に、正しい道を示し、高い志を育む基本人格を形作ります。人格の面では志を芽吹かせる土壌となる倫理観、愛、チャレンジ精神を高める指導を行います。学力面では、生涯続く「学び」の基本姿勢をこの時期にしっかりと身につけられるよう、興味を引き出し、わかる喜びを数多く経験できるカリキュラムを提供します。

学びの喜びを胸に新たな挑戦へ

Ⅰ期では、何事にも全力で取り組み、やり遂げることの喜びを学びました。特に、Ⅰ期のリーダーとして、下級生のお手本となるよう努力し、ファーストステップ会を成功へ導きました。信頼できる先生方のもと、お互いを認め、高め合う仲間と共に、Ⅱ期を全力で頑張っていきたいです。

高藤 愛菜さん(5年)

志を育てる

第Ⅱ期は、自分の才を意識し、役割を認識しながら夢を抱く、志の黎明期です。この時期は、自ら考え、判断する機会が多くなります。人としての正しい行いを意識しながら、高い志に向かって自分を高められるよう指導していきます。学力面では、学問として面白くなる各教科で知的好奇心を満たす授業を行い、自発的に学習に取り組む姿勢を育てます。特に思考力・分析力・判断力、表現力を鍛える機会が多くなります。

学年を超え共に創る学校

私は生徒会書記として、「学年に関係なく、生徒全員が生き生きとした生活を送れる」 生徒会活動を目標としています。学年の枠を超えて交流できる場を提供したいと考えています。ディベートや他学年との意見交流を行い、意見箱やアンケートなどを通して、多くの意見を集め、より充実した学校生活と生徒会活動に役立てたいと考えています。

辛 祐輝(9年)

志を立てる

第Ⅱ期で思い描いた高い志の実現に向けて、具体的な進路を選択する第Ⅲ期。才教学園9学年のリーダーとしての振るまいと役割を果たし、かつ希望の進路に向けてがむしゃらに勉強する姿は、後輩にも好影響を及ぼします。人格と学力を最高に高め、自分だけの確固たる志を立てられるよう集大成の指導を行います。

生徒主体の学校生活

8年生のさいきょう祭でのミュージカルでは、生徒自らが脚本を考え、舞台演出から演技まで全て生徒が中心となって創り上げました。また、生徒会活動でも、より良い学校にする為、新しい企画を生徒が立案・計画をし、責任を持って実行します。生徒自らの手で学校生活を創り上げていきます。

安藤 葉澄さん(令和6年度卒業・東京都市大塩尻高等学校1年)

世界に触れる体験をする研修旅行

学年ごとに行う研修旅行や修学旅行は、それぞれ濃い内容です。それらの経験を通して学習をさらに発展させたり、自身を振り返ってみたりと、生徒それぞれが刺激を受けるきっかけとなります。

宿泊研修~日本のモノづくりに触れる~5年生

5年生は、1泊2日で愛知県を訪れます。 5年生のSTEAM型プロジェクト学習では、通年でプログラミングによるレゴの自動運転車の制作を行います。宿泊研修では、「日本製鉄 名古屋製鉄所」や「トヨタ産業技術記念館」等の見学を通じて、日本のモノづくりの原点を学びます。今の豊かさを支えている「日本のモノづくり」と、それに人生をかけて取り組む人々の姿に触れ、社会科の学習のみならず、自身の将来像や生き方を見つめ直します。

研修旅行~東日本大震災から学ぶ~6年生

6年生は、2泊3日で東北地方を訪れます。メインの活動は、2日目、宮城県石巻市での震災・防災学習です。未曾有の大災害の現場を目の当たりにし、自然の猛威を実感することで防災意識を高めるとともに、復興途上の現実や避難を余儀なくされている人に対し、自分は何ができるのか、世のため人のために尽くすとは、どういう生き方をすることかを再考します。これらの経験を通し、第Ⅱ期の中間で、志について更に深く考えるきっかけとしています。また、この旅行では、福島県会津市にある、江戸時代に藩校であった「日新館」を訪れての座禅や弓道などの体験型学習や栃木県にある世界文化遺産「日光東照宮」の見学なども行っています。これらの活動を通し、日本文化や伝統に対する理解をさらに深めるとともに、それらを大切にしていきたいという気持ちを育んでいきます。

研修旅行から私たちが学んだこと

師岡 慧さん

(7年)

研修旅行では福島県、宮城県、栃木県を訪れました。日新館での座禅や弓道体験など初めての体験は、とても楽しむことができました。私は宮城県で見た津波の恐ろしさや怖さは忘れることができません。直接、旧大川小学校を見学して、自然は優しくないのだということを改めて学ぶことができました。自然災害はいつ起こるか分かりません。だからこそ、日ごろからの備えを意識していきたいと思いました。

宿泊研修~戦争と平和について考える7年生

7年生は、1泊2日で県内東北南信地方を訪れます。無言館、松代大本営、満蒙開拓平和記念館などを見学します。戦争へと向かう学生の声なきメッセージや終戦直後の動乱の歴史をたどることで、「平和の意義」や「先人の尊い犠牲によって築きあげられた平和」についての学習を深めます。平和を象徴する施設や遺跡を見学することで自分の意見をしっかり持ち、平和について深く考える機会とし、現地で学んだこと、感じたこと、考えたことを様々な形で発表します。単に旅行に行くだけではなく、事前学習を行い、現地で体験したことを踏まえて発表することで、思考力・表現力の向上に努めています。

乗鞍キャンプ8年生

8年生では、乗鞍高原にあるNORTHSTARという施設を拠点に様々なアクティビティに挑む乗鞍キャンプを行います。2021年に環境省から日本第1号のゼロカーボンパークに登録された「乗鞍高原」において、観光協会のスタッフとともに『脱炭素化を目指し、サスティナブルな観光地の先駆けとなる』、また、『2050年に向けて、排出する二酸化炭素ゼロの地域づくりを実現する』諸活動の一端を学びます。また、アクティビィティ施設『乗鞍BASE』では、数名ずつのチームに分かれて、壁登りや丸太を吊ったロープコースなど自然を利用した難コースを攻略していきます。体を張って仲間と協力して課題を克服した経験を通して、信頼感と絆が深まります。

修学旅行~見識を深め、人としての成長を促す~9年生

オーストラリア修学旅行2019

9年生は、従来、9年間の英語学習の集大成として、4泊6日でオーストラリアのメルボルンを訪れていました。しかし、ここ数年にわたっての新型コロナ、世界規模のインフレ、円安の状況などを踏まえ、現在は4泊5日で、広島・愛媛・香川・徳島・兵庫を巡る国内旅行に切り替え、実施をしています。
本校の修学旅行は文字通り「修学」を目的に、日ごとにテーマを設定し、様々な体験・経験を通して、学びを深めていくものとなっています。1日目のテーマは「平和を想う」。広島市の平和祈念公園を訪れ、平和資料館を見学し、原爆供養塔や原爆ドームに祈りを捧げ、平和の尊さについて考える時間を過ごします。2日目のテーマは「歴史を歩く」。フェリーで瀬戸内海を渡り、加藤嘉明が築城し、松平定信が居城とした松山城と作家・司馬遼太郎氏の名著「坂の上の雲」の名が付けられたミュージアムを訪れます。戦国・江戸・明治、それぞれの時代を志高く生き抜いた先人たちに思いを馳せながら、見識を深めていきます。3日目のテーマは「観光を楽しむ」。砥部焼絵付け体験、道後ハイカラ通りでの自由行動、香川に移動して、こんぴらさん(金刀比羅堂)参り。四国観光の定番を思う存分楽しみます。子どもたちの笑顔が尽きない1日となります。4日目のテーマは「文化・芸術に触れる」。国の特別名勝に指定され、江戸時代の庭園芸術の極みとされる栗林公園、徳島に移動して、阿波踊りの歴史や伝統を学びつつ、全員で踊りの楽しさを体感する阿波踊り会館、ミケランジェロ、ダビンチ、ゴッホ、ピカソなどの数々の名画を大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術によって完璧に再現した大塚国際美術館を訪れます。本物に触れる、一流に触れる体験を通じて、自らの感性に磨きをかけていきます。5日目のテーマは「防災を考える」。神戸のメリケンパークや人防災未来センターを訪れ、阪神・淡路大震災の生々しい傷跡や当時の惨状に目を向け、防災意識の大切さを学び、松本への帰路につきます。
繰り返しになりますが、本校の修学旅行は文字通り、修学のための旅行です。物見遊山の旅行では決してありません。その場に実際に行ってしか得られない考えや想いや感情の数々を大切にし、貪欲に、そして謙虚に学びを深め、子どもたちの人としての成長を促す工夫を凝らしています。

実際に訪れ、多くの事を学んだ五日間

百瀬 友惺

(令和6年度卒業・松商学園高等学校1年)

初日は、広島の原爆ドーム・平和記念資料館に訪れ、原爆の恐ろしさを自分の目で見ることができました。また、当時の話を聞くことで、被爆者の方々に思いを馳せることができました。最終日には兵庫県で、阪神・淡路大震災の被災地を訪れ、普段の生活がどれほど恵まれているかということを再確認できました。多くの場所に訪れ、思い出を作り、知識を増やすことのできた五日間でした。

体育祭

全学年合同で行う体育祭は、赤白真っ二つに分かれて徹底して勝負にこだわり、全力の戦いを繰り広げます。低学年生は高学年生の姿に憧れ、高学年生は低学年生を気遣い、共に団結して勝利を目指します。勝敗が決したあとには、勝った喜び、負けた悔しさで共に涙を流し、正々堂々と精一杯戦った感動は、子ども達を大きく成長させます。

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さいきょう祭

千人規模の会場を借りて行われるさいきょう祭では、合唱、合奏、ミュージカルなど猛練習の成果を大観衆の前で披露します。例年、観客の方々も想像以上の演技に大きな感動に包まれます。より良い作品を目指してのつらい練習や意見の食い違いなど、壁を仲間と支え合いながら乗り越え、会心の演奏・演技ができた達成感は、万雷の拍手の中で感動とともに子ども達の心に刻まれます。

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保護者の声

授業をご覧いただいた保護者の方々から寄せられた感想をご紹介いたします。