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人々の志に触れた旅  小学6年の研修旅行

投稿日:2016.07.15

第Ⅱ期

 6月29日から7月1日、小学6年生は研修旅行で東北3県を訪れました。


初日、野口英世記念館で野口英世が研究に没頭した理由と彼の功績について学んだり、鶴ヶ城で戊辰戦争時の資料を見たりして、現代日本の礎を築いた先人たちの志を学びました。見学のなかで「戊辰戦争のことをもっと知りたい!」「どのように現在のような洋式生活になったのか、その理由を知りたい!」といった考えを持った子どもたちもいました。


そして、会津藩校日新館へ移動し、様々な体験活動と講話や座禅を通じて白虎隊の誇り高い精神に触れ、当時の考えや生活を体験しました。日新館での1日はまさに『修行』。クーラーがなくても、テレビがなくても、仲間と充実した時間を過ごしました。


 


2日目は宮城県石巻市。石巻日日新聞資料館でまず目に入ったのは6枚の壁新聞。1枚目が発行されたのは3月12日。混乱の中、新聞社のみなさんはすぐさま新聞の発行にとりかかっていたのです。しかし、パソコンや輪転機など機械類は使えない…。そこで情報をすべて手書きで届けることに決めたのです。まさに「世のため人のため」というべき志です。


その後は市立大川小学校の跡地へ向かいました。近代的なデザインとは裏腹に、地震・津波の被害に遭った校舎は、教育現場であったことがわからないほどに痛々しいものでした。


また、石巻同様、大きな被害を受けた東松島市の野蒜地域では、旧野蒜駅のプラットホームが当時のまま残されていました。この駅は奥松島・野蒜海岸の観光開発のために設置されたもので、震災前は観光客であふれていたそうです。昨年5月、仙石線の全線再開が話題となりましたが、その陰で今もなお震災の爪痕を物語る場所でした。


ガイドとして同行いただいた語り部の方々も、身内を亡くされていました。そうした方々が悲しさを乗り越え、「後世に忘れてほしくない」という思いで語る姿に、崇高な志を感じました。


 


最終日の7月1日、疲れた様子が伺えるものの、みんないい顔をしていました。最高の天気の中、まずは松島湾をクルージングしました。およそ40分の船旅は、あっという間の時間でしたが、美しい景観を堪能できました。


今回の研修旅行の最後の訪問先は、奥州平泉です。平安時代、都と同等かそれ以上に栄えた平泉、その栄華を誇るまでの過程を学び、日本が誇る文化遺産に五感を使って触れてきました。こうした素晴らしい文化遺産を今なお見ることができるのも、古の奥州藤原氏をはじめ、多くの人々の志をもとに継承されてきたからなのだということを忘れてはいけません。


 


3日間に及んだ研修旅行は、本当に素晴らしい修養と研鑽の連続でした。無事帰校を果たした子どもたちは、校長先生、副校長先生から、「ここが終わりではない。ここからが、つまり、帰ってきてからが勝負だ。」と含蓄のあるお話を聞きました。研修旅行で経験したことや成長の証を、子どもたちは学校生活のほか様々な場面で発揮してくれることでしょう。

弓道体験   会津藩校 日新館

石巻市立大川小学校

松島湾クルーズ