
6年生が11月28日(金)から29日(土)にかけ、防災について学ぶ特別授業を行いました。NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)の理事である宮崎猛志先生と協会に所属する学生のみなさん11人に来校いただき、災害についてさまざまなことを学ばせていただきました。授業のようすについて、学年の先生からレポートです。
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【1日目】
■日本は災害多発国 今できる対策は?
宮崎先生によると、世界で起こる自然災害の10回に1回が日本で起きているそう。最近も各地で地震発生のニュースが相次いでいますが、その地震対策として大切なのは、建物の耐震化と家具の転倒防止に注意すること。家具が倒れたり、台所の食器類が割れてケガをすると非難移動が困難になるので、備えを怠らないようにしておきたいと思いました。
発災後にIVUSAが現地入りしてボランティア活動を行うようすを動画などを見て、生徒たちはその大変さや被害の大きさを実感したようです。

■避難所はどうやって作る?
翌日の避難所設営に向けて、「乳幼児がいる家族」「車いすが必要な人がいる家族」などを想定し、8つのグループに分かれて話し合いをしました。学校の体育館が避難所になったとして、与えられたシチュエーション下の課題を整理し、限られたスペースでそれを解決する方法を考えました。各グループに入ったIVUSAの学生さんたちとの議論も盛んに、あっという間の2時間でした。
【2日目】
■避難所を設営しよう
体育館に避難者の居住スペースと共有スペースを確保して、いよいよ避難所設営です。前日の計画に基づき、各所で様々な工夫が見られました。「女性のみのグループ」の居住スペースを担当した班は、「プライバシーの確保と防犯対策のため」として、あえてカサカサと音がするように新聞紙の仕切りを作りました。共有部分の情報掲示板を担当した班は、日本語以外の言語やイラストを使う、小さい子向けにフリガナを書くなど工夫していました。

担任として、誰もが安心・安全に過ごすことのできる避難所作りを実現しようとする6年生に感心させられました。
宮崎先生、学生のみなさん、貴重な時間をありがとうございました。
◎宮崎先生より、まとめのお話
みなさんが居住スペースを作るときに意識していたことのひとつが「プライバシー」。心身の健康を考えて、プライバシーが守られること、ストレスをできるだけ軽くすることが、設営の要素になっていたはずです。高齢者が暖かく過ごせたり、手の届く範囲にものを置けるように工夫したりすることは大切な「配慮」であり、要配慮者は災害時だけでなく普段からサポートが必要なことも多い。そういう人々に優しい社会を目指す大きな流れがあることを意識した設営はすばらしいものでした。
また、普段からあってもいいし、災害時はより便利に機能する「フェーズフリー」のアイデアもたくさんありました。車いすに乗る人のために、お腹にあたる部分をカーブ状にしたトレイ。赤ちゃん2人が並ぶことができるベッド。安全のため、音が鳴るようなカーテンなどが、それにあたります。
こうした新しい防災の考えや、周囲の人に寄り添う気持ちを、ずっと大切に持っていてください。