
3学期の始めに、中学校課程の生徒を対象とした特別講演会を開催しました。講師は、脳科学がご専門の青砥瑞人先生。同分野で世界トップクラスの研究機関、UCLAで学ばれたご経験を持ち、その知見を生かして事業展開やアスリート支援など幅広い分野でご活躍中です。
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講演は、「人はどれくらい情報を処理できているのだろう?」という問いから始まりました。私たちの脳が実際に処理している情報はごくわずかであり、さらに脳には欠点に注意を向けやすい"ネガティビティ・バイアス"という性質があることが紹介されました。
たとえばテストの点数について、「50点しか取れなかった」と考えるか、「50点も取れた」と考えるか。どこに意識を向けるかによって、脳に刻まれる記憶やその後の行動は大きく変わるといいます。
失敗にとらわれるのではなく、「まだ伸びる余地がある」と捉える視点が成長につながる――その大切さが語られました。
また、「ストレス=悪いもの」と決めつけるのではなく、新しい挑戦の際に感じる緊張や不安は"成長痛"。それが自分を押し上げるサインでもあるとのお話もあり、「自分の能力は伸びるんだって繰り返し信じることが重要」と、力強く伝えてくださいました。
専門的な内容にも触れつつ、終始親しみやすい語り口で、ユーモアを交えながら分かりやすい講演をしてくださった青砥先生。ここには書ききれませんが、「脳の使い方を変えて自分を活かすヒント」の数々に、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
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【生徒の感想】
Sさん:今回の講演会で自分に自信がつきました。私は医師になるのが夢ですが、否定されるのは怖いと思っていました。でも、興味を持ったことややってみたいことに挑戦する一歩が踏み出せそう。
Nくん:青砥先生の話し方がすてきで、内容がすっと入ってきました。『受験』というストレスをわくわくする気持ちや"ときめき"に変えて、もっと自分の可能性を感じられるようになりたいです。
Sくん:小・中と続けてきたスポーツを高校でも続けるつもりですが、技術面の伸びに悩んでいます。両立は大変だと思いますが、いい選手のプレーから学び、自分のスキルを伸ばしていきたいです。
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青砥先生と本校とのご縁は、一昨年に開催した保護者向け特別教育講演会にさかのぼります。その際のご講演が大変好評で、翌年には教職員研修会でもお話しいただきました。「ぜひ本校の生徒にもお話を...」という思いを抱いていたものの、海外を拠点に活動されていることもあり、なかなか実現には至りませんでした。
しかしこのたび、短期帰国の機会にあわせて日程をご調整いただき、念願かなって1月20日に講演会を行うことができました。
この講演は、生徒一人ひとりが「自分の可能性はこれからも広がっていく」という視点を得る、たいへん貴重な機会となりました。質疑応答では、生徒それぞれの疑問や悩みに寄り添いながら丁寧にご回答いただき、その真摯な姿勢は生徒たちに大きな安心感を与え、前向きな一歩を踏み出す後押しになったことと思います。
近年のご活動は「応用神経科学者」という枠にとどまらない青砥瑞先生。多彩なご経験と幅広い視点からのお話は、生徒にとって多くの学びと気づきを得られる時間となりました。心より感謝申し上げるとともに、今後ますますのご活躍をお祈りいたします。

下の画像は青砥先生が見せてくれたもの。講演会で体験した、色のふしぎ。
強い色を見たあと、脳は反対色を補ってしまう。それが「補色の残像」。