投稿日:2020.11.20
国語の教科書に40年以上(!)掲載されている『スイミー』。お父さん、お母さん方も授業で習ったことがあるのでは?
「パネルアートVer.」とある通り、スイミーやきょうだいたちをはじめ、作品に登場する生き物は、色画用紙などで作ったもの。それらを携えた2年生は、かわいらしい海の世界へ私たちを連れて行ってくれました。
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海の中、赤い色の魚の群れに、「からすがいよりも真っ黒」という、みんなと違う特徴を持った魚、スイミーがいました。
周りからは何をして遊ぼうかと楽しそうに話す声が聞こえます。
「鬼ごっこがいいな。」
「ぼくが鬼になる。みんな、逃げてね!」
そんな日常が一変。突如現れた大きなまぐろに、小さな魚は食べられてしまいます。誰よりも速く泳げたスイミーは難を逃れましたが、一人ぼっちで海をさまようことに…。
“にじいろの ゼリーのような くらげ・・・・・・”
“ドロップみたいな いわから はえてる, こんぶや わかめの はやし・・・・・・”
“みたこともない さかなたち(以下略)”
“そして, かぜに ゆれる ももいろの やしのきみたいな いそぎんちゃく。”[1]
初めて見る生き物に心躍らせ、元気を取り戻したスイミーが次に見かけたのは、なが~いうなぎ。
「体はどこまであるのかなぁ?」
うなぎのしっぽを見送ったスイミーは、自分と同じくらいの魚たちを見つけますが、みんな大きな魚に怯え岩陰に隠れています。この状況を変えようと、「みんなで群れになり一番大きな魚だと思わせよう」とするスイミーたち。
スイミーは体の色を生かし「魚の目の部分になる」と自ら提案。頭を大きくしたりしっぽを細くしたり、「離ればなれにならない。持ち場を守る」というスイミーの言葉どおり練習を重ね、力を合わせて大きな魚を追い払ったのでした。
海の生き物になりきった2年生のパフォーマンス。赤い魚となって泳ぐときの顔の向きをそろえ、生き物の動きの特徴をよくとらえていました。仲間との絆、協力することがいかに大事か、客席の皆さんに伝わっていたら嬉しいです。
[注]引用文献
レオ=レオニ,谷川俊太郎訳『スイミー ちいさな かしこい さかなの はなし』,好学社,1969
〈学校長より〉
小さな体とパネルを使って、さいきょう祭史上初めてのパネルアートに挑戦した2年生! 練習を通じて「持ち場を守ること」の大切さを学んだみなさんは、それぞれの役割を立派に果たし、『スイミー』の世界を見事に表現しました。みなさんが力を合わせて舞台の横幅いっぱいにつなげた巨大うなぎは、特に圧巻でした。