投稿日:2020.11.25
大正から昭和の初めにかけて親しまれたエンターテインメント「活弁」。映画が活動写真と呼ばれていた頃、スクリーン脇で映画の説明をしたり、役者の声をあてたりしていたのが、「活弁士」です。ロシア民話『大きなかぶ』を、3年生は活弁風にアレンジして披露しました。
さて、才教の活弁士たちの活躍やいかに…?
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最新映画では、座席が動く、匂いや風を感じられるような体感型も多くなりました。「もう活弁で映画を見る人なんて…」と不満気味の活弁士たちは、今日も飽きるほどやりこんだ『大きなかぶ』の練習を開始。人物の動きに説明を加えながら練習は進みます。おばあさんが来て、犬が来て―…次は猫、と思いきや、ある活弁士がこう言いました。
「犬がかみついたので、おばあさんはけがをしてしまいました!」
あれ、役者たちの様子がおかしいぞ? なんだか怒っているみたい。ボリュームを上げると、
「セリフを勝手に変えないで!」
「動きを合わせないといけないでしょ!」
役者は、活弁士のアドリブに振り回され大変だと訴えます。そして、このスクリーンが外と中を行き来できると知った一同は、相談の末に宇宙一楽しい『大きなかぶ』を作り上げることに。
ところが、そのお話がかなり個性的。例をあげれば、
一.主人公であるおじいさんが文句を言う
「かぶの種をひとつしかくれない隣のおじいさんはケチ!」
二.おじいさんの呪文でかぶが大きくなる
三.手伝いに呼ばれたおばあさんが、ぎっくり腰になる
四.おばあさんのぎっくり腰が、医者の気合いですぐ治る
五.おじいさんたちはイヌ・サル・キジに団子をあげて、
かぶを抜くための仲間にする
ラストシーンは、おばあさんのぎっくり腰を治した医者が「報酬として、このかぶをもらっていこう」と宣言します。
そこで、みんなで締めの一言。
「それはないよ~~!」
〈学校長より〉 人から笑いを取る「喜劇」を演じるのは、本当に難しいことです。その難しさを微塵も感じさせず、舞台上でキラキラした眼差しで、楽しそうに演じている3年生が印象的でした。 いつも笑顔の絶えない明るい3年生。会場が笑いに包まれたとき、このコロナ禍で忘れかけていたみんなで笑うことの爽快感を、みなさんのステージが思い出させてくれました。
「どうしたら活弁を見てもらえる?」
宇宙一楽しい『大きなかぶ』の話にしよう!
アレンジいっぱいのお話に…