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8年 ミュージカル さいきょう版「Les Miserables」~絶望の中の小さな希望~

8年 ミュージカル さいきょう版「Les Miserables」~絶望の中の小さな希望~

投稿日:2022.03.03

 1学期のオーディションに始まり、長い期間をかけて大作「Les Miserables」の準備をしてきた8年生。彼らの舞台の素晴らしさは、演目終了後に長く続いた大きな拍手がありありと物語っていました。
 私利私欲のためでなく、人のために必死で生きたバルジャン。会心のきっかけを作った司教。執拗にバルジャンを追うジャベール。幸せとはいいがたい人生を送ったファンティーヌやエポニーヌ。他にもたくさんの人物が登場する作品で、8年生は個性的な人々を魅力たっぷりに演じ、まるで「全員が主役」と言いたくなる舞台でした。
 歌の一部をセリフに置き換えたり、時間の制約上、泣く泣くカットした場面も多かったりと上演までの苦労は数えきれないほどでしたが、13歳、14歳とは思えないほど、見事に「Les Miserables」の世界観を表現しました。


〈学校長より〉
あえて言葉に出す必要もないと思うのですが、・・・圧巻の一言です。演技と歌唱のすばらしさ、総じてあの迫力。演劇の醍醐味というのは、限られた舞台という空間で、新しい時間と新しい空間から創出できることの壮大さだと私は思っていますが、演劇に必要な要素を取りこぼすことなく、さいきょう版「Les Miserables」を完成させた8年生に驚嘆しました。
バルジャンやジャベールといった主要キャストはもちろんですが、その一方で何役もこなしていた子たちこそ称賛に値すると、私は思います。大勢の中では目立つ役ではないかもしれません。しかし、場面ごとに衣装を変え、表情や仕草といった演技さえも見事に分けることができていた。あの姿は、厳しい練習をしてきたことの積み重ねに他なりません。かなうことならば、体育祭のようにMVPをあげたいとも思います。
例えば絵画や彫刻のようにかたちが残る芸術と違い、演劇やミュージカルといったものは映像で振り返ることはできても、かたちが残らない。だから、あの場で感じた「余韻の美」というか、直接見たことが心に残ってまた感動が呼び戻される感覚を与えてくれた8年生のミュージカルは、まぎれもなく「本物」です!