さいきょう祭で毎年、圧倒的な歌声を披露してくれる合唱部。2025年夏のコンクールを終えたところで、部の様子を顧問の先生に聞きました。
【たった10人での挑戦】
7月31日、塩尻市レザンホールにて長野県学校合唱大会中信ブロック大会が開催されました。これは、NHK学校音楽コンクール、通称「Nコン」の予選も兼ねていました。才教学園合唱部はここで銀賞をいただき、8月の県大会へと進むことになりました。
Nコンで1団体の出場上限人数は35人。大きな団体では内部オーディションで選抜したり、課題曲と自由曲でメンバーを入れ替えたりして調整します。しかし、本校は女声パート8人、男声パート2人。あわせて10人での出場は、県大会19校の中でもちろん最少人数です。
課題曲『空』は、SKY-HIさん制作。ノリの良いアップテンポな曲調ですが、詞は10代の揺れ動くナイーブな心情を表しています。合唱での表現方法は各校で異なりますが、才教学園では、明るく、体を動かしながら、自由曲とは違う声質での三部合唱に挑戦しました。
自由曲に選んだのは、『生きる』。作詞は谷川俊太郎、作曲は新見徳秀です。課題曲とは対照的な、混声四部の合唱の王道をいく曲です。しかも、アカペラの難曲...。奇しくも、県大会が行われた8月9日は長崎原爆忌。「生きる」ということに思いをはせ、気持ちを込めて歌えたと思います。
結果は奨励賞。審査の詳細を見ると、良い評価をくださった審査員の先生がいて驚きました。
音楽の「比べっこ」は難しいことです。だからこそ、こうしたコンクールは励みやステップアップの手段であり、目標にしてはならない、と思っています。
しかし、集中して楽表現に取り組むことのできる貴重な時間を過ごすことができました。また、「コンクールでは不利」といわれる少人数での出場も、部員たちの中からは「少人数だからこその良さを出せた」「お互いの声がよく聴こえた」という声がありました。
アンサンブルの原点に触れることができたんだな、と感慨深く思うとともに、この夏、また一回り成長した部員たちの頼もしさに、背中を押されている気がしています。
合唱部顧問