11月28日(土)、「インターネットの危険性と対処法」と題し、筑摩野中学校の理科教諭であり教育情報化コーディネーターの小川文徳先生による講演会を、小学5年生から中学3年生および保護者のみなさんを対象に行いました。
分からないことを調べたり、いろんな人と簡単につながることができて便利なインターネットですが、そこに甘んじてしまうと大きな危険に身をさらすことにもなりかねません。なぜならば、ネット上の情報には「嘘」が多く、また安全性が確保されないサイトにも気軽にアクセスできてしまうからです。
小川先生は、「デジタル・タトゥーという言葉が表すように、ネットに出た情報は二度と消すことができません。また、“無料”と書いてあるゲームサイトでも、アイテムを手に入れるなどのアクションを起こすたびに課金される場合がほとんどです。」と話されました。そして、SNSなどにたった1枚の写真をアップロードしただけで、氏名、住所、職業など個人が特定される事態にまでなってしまうという非常に恐いお話もお聞きしました。
確かに、インターネットは楽しく魅力的なツールです。しかし、ものごとの真偽を見抜く力がまだ十分ではない子どもたちは、情報に左右され、結果としてトラブルに巻き込まれてしまうこともあるのです。
ネットの世界のすべてが危険だということではありませんが、「まずは現実の世界でつながっている家族や友達との会話を楽しみ、思いっきり体を動かすこと、たくさん勉強すること、リアルな経験を増やすことが大切。」と、小川先生が話された内容を、毎日の生活の中で実践していくことが先決だと強く感じた講演会でした。
11月25日(水)、小学5年生がトヨタ自動車による「トヨタ原体験プログラム」という出張授業を受けました。これは、世界的企業であるトヨタ自動車が、「今日のモノづくりは環境のことを考えることが何より大切である」ということを若い世代に知って欲しいと、全国の学校で行っている教育プログラムです。才教学園では工業を学習する小学5年が毎年応募し、今回で6回目になります。
内容はボードゲーム形式で10年間、自動車会社の経営を行いその間の収支をチーム対抗で行うもので、今回は小学5年生60名を6チームに分けて行いました。
ゲームはさすが世界のトヨタが作ったもので、良く練られています。利益優先で経営が立ち行かなくなるばかりではありません…。開発、社会貢献活動、そして何より環境への配慮をバランスよく実施したチームの収支が良くなるようにできています。しかし、運も必要であり、マスによっては突発のトラブルを被ったりもします。
結果は6チーム中、3チームが1億円を超えましたが、1位のチームはバランス良い経営に加え、運も引き込んだようでした。最下位のチームは、環境対応と新車開発が遅れ、赤字体質からなかなか脱却できませんでした。
トヨタの方からゲームのツボを教えていただいたのですが、「転ばぬ先の杖」のように少しずつ、環境への投資(空気浄化装置、太陽光発電)を行うことが、勝利へのカギだったようです。
授業が終わった後は、販売店の方より持ち込んでいただいたハイブリッドカー、「シエンタ」と「プリウス」の座席に乗せてもらったり、ボンネットを開けてエンジンルームを見せていただいたりしました。
ゲームを楽しみながら、環境について深く掘り下げて考えることができた貴重な機会となりました。
コストはかかるけれど、環境に配慮した経営がポイントです
プリウスのエンジンルーム
11月21日(土)、全校児童生徒の避難訓練および保護者への引き渡し訓練を行い、災害発生時の基本的な行動のしかたや安全に避難する方法などを確認しました。
地震が起きたと分かったら、まずは自分の身を守ること。落ちてくるもの・倒れてくるものをさけるために机の下などにもぐりますが、学校の机は固定されていないので、机の脚をしっかりつかむことも大切です。
今回は、地震に伴い火災も発生したと想定し、校舎内の防火戸を閉めた状態での訓練でした。炎や煙が建物内で広がるのを防ぐ防火戸には、避難経路を確保するという役割もあり、人が通れる大きさのくぐり戸がついています。これは床面から約10㎝の段差があるため、避難中につまづく児童生徒が何人もいました。
これをふまえ、芳川消防署の方から「避難中の転倒は将棋倒しのきっかけにもなるので大変危険。早く逃げることは大切だが、安全に十分注意した上での行動を心がけて。」とのお話がありました。「結果的に事故にならなかったし、けがもなかったからいいや。」と見過ごすことなく、常に危険と隣り合わせであるという意識を持つ必要があるということを、改めて教えていただきました。
児童生徒の引き渡し訓練では、避難を終え待機している児童生徒を保護者のみなさんに迎えに来ていただきました。自宅や勤務先から学校までの経路、構内での車両の通行方法などは確認できたと思われますが、「混乱の中で、もし車や電車が一切使えない状況になっていたら?」ということも、各家庭において話し合っておく必要があります。
災害は、対岸の火事ではありません。いざという時に、自分の命、家族の命、周りの人の命を守るために何ができるか、どうすればいいかということを、今一度考えておかなくてはいけないと強く感じました。
わずか10cmの段差にも大きな危険がありました
初期消火訓練 水の入った消火器で使い方をおさらい
保護者のお迎えを待っています
11月18日(水)、小学4年生が長野県庁と善光寺を見学しました。
県庁では「子ども豆記者体験」として、「長野県の工場」や「信州のお米とそばのはなし」など7つのテーマで、県の担当課のみなさんにたくさんの質問をしてお話を伺いました。長野県の“これまで・これから”についての丁寧な説明の中には新しい発見がたくさんあり、自分たちが暮らしている長野県のことをより深く知ることができました。
議会棟では、県議会が行われる議場に入り傍聴席に座らせていただきました。議会は、私たちの代表である議員のみなさんと、知事をはじめとする県の担当のみなさんが、条例を決めたり問題を解決するために話し合いを行う場所であること、また、議場の配置や本会議の会期などについても説明を受けました。
午後は、今年4~5月に7年に1度の御開帳でにぎわった善光寺を訪れました。秋の善光寺、境内はしっとり落ち着いた雰囲気に包まれていました。大きな香炉で煙をつけ、みんなで幸せと健康をお祈りし、境内の散策を終えたあとは、お土産の購入を楽しみました。
14日に行った長野県フェスティバルで大成功を収めた4年生にとって、更なる興味と郷土愛を育むことにつながる充実した一日となりました。
11月14日(土)、「長野県フェスティバル」が開催され、小学4年生が、わさびやりんご、木曽漆器、観光スポットやかつて盛んだった養蚕業など、長野県の文化や産業について調べたことを紹介しました。
1学期から行っている調べ学習では、本や新聞、行ける範囲での現地インタビューで情報を集めました。調べたことを壁新聞にして掲示しましたが、小学2・3年生へのアンケートでは、あまり見てもらえていなかったと判明…。そこで、もっと多くの人に直接伝えようと「長野県フェスティバル」を企画しました。
大きく見やすい文字や自分で撮った写真を使った掲示物のほか、実物を用意する、リーフレットを配るなど、伝え方にもひと工夫。当日は、保護者の方やインタビューでお世話になった方が来校され、子どもたちの説明に耳を傾けて下さいました。
フェスティバルを終えた4年生は、
「緊張したけれど楽しく説明できた。お客さんがしっかり聞いてくれて嬉しかった。」
「友達の発表を見て、いままで知らなかったことを知ることができた。発表のやり方もいろいろあってためになった。」
と話していました。
準備は子どもたちが中心となって行いました。その過程で、6月の新聞づくり講習会や、昨年の「昔のくらし」の発表など、経験の一つひとつがしっかり活かされていることが分かりました。
2月にはプレゼンテーションコンテストがあります。今回のフェスティバルは、それに向けて、調べること・まとめること・伝えることをもっと洗練させるきっかけになりました。
11月11日(水)、小学5年生が長野県の水産業と農業についての社会科見学を行い、安曇野市内の施設を訪問しました。
ひとつめの見学先は、明科にある長野県水産試験場。一年を通じ10℃前後のきれいな湧水を確保できる立地にあり、ニジマスなどの養殖、川・湖の漁業環境保全などを行っています。そして「信州サーモン」の”生みの親“でもあります。信州サーモンは最大で3kg・65cmほどに育ち、卵をつくらないメスのみの品種だそうです。魚に直接触り特有のぬるぬるぬるした感触に驚きつつも、地元が誇るブランド魚について詳しく知ることができました。
次の安曇野ハイテクファーム(同市三郷)は、コンピュータで管理された完全無菌室でレタスやサラダ菜などの水耕栽培を行っています。光(ナトリウム灯)・温度・肥料・二酸化炭素を調整した工場内では、野菜は約35日という速さで出荷できる大きさに成長します。外気を遮断しているので虫などがつかず農薬を使う必要がないこと、洗わなくても安心して食べられることなどを教えていただき、土を使わない野菜の育て方に、児童は興味津々でした。
研究者や生産者の声を直に聞き、新しい農水産業のすがたと工夫に触れた5年生ですが、携わる人の高齢化や減少、後継者不足などの課題を抱えている現状を知り、「自分たちのような若い世代には何ができるか」についてもレポートにまとめていました。
11月7日(土)、中学2年生が「乗鞍の魅力発信」をテーマにプロジェクト学習発表会を行いました。当日は乗鞍グリーンツーリズム推進協議会より宮崎さん、ガイドの宇賀神さん、保護者の皆さんが来校され、生徒たちが考えた観光促進、集客につながる提案を聞いてくださいました。
2年生は、8月27日から1泊2日で自然体験プログラムとして乗鞍を訪れています。登山、トレッキングなどグループ行動を通して協調性を養うとともに、乗鞍一帯に観光客を誘致するためのプロジェクト学習の調査をしました。発表会まではそこから2か月ほど期間がありましたが、さいきょう祭をはさみ、11月に入ってからは時間の許す限り放課後遅くまで残って準備を進めました。
提案には、写真コンテストの開催・一口おやきを作って売り出す・現地の小学生をボランティアガイドにした観光案内等があり、自分たちで考えたゆるキャラのイラストなどを紹介する班もありました。
講評では、宮崎さんより「私も乗鞍について忘れかけていたことを思い出すことができた。是非この提案から乗鞍の集客につなげていきたい。」と嬉しい言葉をいただきました、また、校長先生からも「各班が自分たちで生み出した提案、プランに愛情をもつことができていた。多くの班が高齢者、外国人など集客したいターゲットが決まっていたことは素晴らしい。」とお話がありました。
ことばや図表、イラストなどを使ったわかりやすい発表は、小学4年生の時から行っているプレゼンテーションコンテストで培ってきた力です。この経験が更なる糧となって、修学旅行とその報告会に向け、弾みがついたことでしょう。
クビワコウモリをゆるキャラに。
11月7日(土)、小学3年から6年生がオリエンテーリングを行いました。
今回は信州スカイパーク内のコースを使い、20箇所のコントロール(通過ポイント)を探す競技オリエンテーリングで、制限時間は40分間。限られた時間の中で、効率よくコントロールを回るための作戦会議にも余念がありませんでした。
スタート直後から全力で走り続けていた子ども達でしたが、初めて参加した3年生は、チームのペースに遅れてしまうことも…。そんなときに頼りになるのは、やっぱり6年生でした。「チームの全員が10m範囲にいること」というルールもあるため、「頑張れ!」と声をかけたり、下級生のリュックを持ってあげたりして最後までサポートする姿に、最上級生らしさが表れていました。
息を切らしてたどり着いたゴール。すべてのコントロールを制覇して、2チームが優勝しました。残念ながら時間内にゴールできなかった子どもたちも、口々に「楽しかった!」「疲れたけどおもしろかった!」と言っていました。
本格的なオリエンテーリングの実施にあたり、長野県オリエンテーリング協会の木村さんにご協力いただきました。準備からいろいろとお世話になり、大変ありがとうございました。
チームごとに作戦会議
コントロールを発見!
10月3日と4日、第30回長野県ピアノコンクールがまつもと市民芸術館で行われ、山崎航大くん(小学6年生)が小学校5・6年生の部で入選、優秀賞を受賞しました。
山崎くんは、7月の予選に向けて今年3月の終わりごろから準備を始めました。日程が近くなると1日の練習時間を3時間程に増やしていったそうです。グリーグ作曲「春に寄す」はメロディーのきれいな響きを大切にし、もう一曲の「ハリング(ノルウェー舞曲)」では楽しい雰囲気を出せるように、それぞれ気持ちを込めて本番の演奏に臨みました。
「演奏中は緊張したけれど、とにかく先のことを意識して弾いていました。弾き終わった後は達成感があり、ミスはあったけれど全体的な表現はよくできたと思いました。結果発表を聞いて、“本当に?“とびっくりしました。日頃の練習の成果を出せたことが嬉しいし、表現やテクニックをていねいに教えてくれた先生にも感謝しています。」と、コンクールを振り返りました。
31日に行われるさいきょう祭では、6年生の演目であるミュージカルの伴奏を務める山崎くん。「全員で作るミュージカルがいい作品になるように、僕は伴奏を頑張りたい。」と、張り切って練習に取り組んでいます。
10月6日(火)、小学5年生が諏訪郡富士見町にあるカゴメ株式会社富士見工場を見学し、生産ラインや製造用ロボット、工場の環境対策などについて学習してきました。
富士見工場が建てられたのは1968年。なぜ富士見町であったのかという理由は、次のようなことからです。
①野菜の産地が近く原材料を調達しやすいこと
②質が良く豊富な水があること
③大都市圏にアクセスしやすいこと
工場内ではコンピューター管理されたロボットが絶え間なく動いていました。紙パックは、最初はパッケージが印刷された細長い1枚の紙の状態。それを、丸い筒状にする → 底を留めジュースを充填 → 1本分の長さで切り取り、角を折りたたんで四角く形成する作業が猛烈なスピードで行われていて驚きました。
また、カゴメで使用しているトマトのことも詳しく教えていただきました。ジュース専用の”凜々子(りりこ)“という品種群は、おいしさはもちろん、ジュースにしてもきれいな色が出るよう中まで真っ赤に色づくことや、運ぶときのダメージをできるだけ少なくするために少し厚みのある皮になるように、品種改良を重ねて生まれたそうです。
今年はすでに栽培の時期が終わっていましたが、工場に近い畑も見学してきました。野菜やくだものを搾った後のかすを肥料にして、ゴミをできるだけ出さないという環境対策の工夫を知ることができました。
おいしく安全な商品を消費者に届けるため、徹底した衛生管理ときびしい検査のプロセスを欠かさない…。工場で働く方々は真剣そのものでした。
お忙しい中、見学にご協力いただいたカゴメ富士見工場のみなさん、ありがとうございました。
長い筒状になった紙パック
コンビニエンスストア限定の“リーフパック”