31日間の夏休みを終え、2学期が始まりました。
生徒たちは、普段より大きな荷物を抱えて元気に登校。教室に入ると早速、宿題をきれいに並べて提出したり、先生や友達と笑顔で夏休みの思い出を話したりしていました。
【始業式・校長講話】
おかえりなさい。こうして元気に学び舎に戻ってきてくれて嬉しいです。みなさんには、この夏の経験や学びをフル活用して、有意義な2学期にしてほしいです。
さて、パリ五輪で日本人選手団は20個の金メダルを獲得、本当にすごい活躍でした。今大会の参加選手に、個人で銅メダル、団体で銀メダルを手にした卓球女子代表の早田ひなさんという方がいます。帰国会見で「今やりたいこと」を問われ、答えのひとつとして「知覧特攻平和会館に行きたい」と言っていました。「生きていること、卓球ができることを当たり前じゃないと感じたいから」だそうです。
それを聞いて私は、「彼女は、競技に取り組めている現状を当然と思わず、そのことに感謝して次の高みを目指す決意があるのだな」と考えました。この謙虚さが、立派な成績を収めた早田選手の強さの要因なのかもしれません。
ここで出てきた『特攻』とは、太平洋戦争末期に日本軍が戦闘機などで連合軍の艦船に文字通り体当たりする攻撃で、知覧にもその基地がありました。人員、物資、燃料といったものがなくなっていく中、多くの人命が失われました。知覧特攻平和会館には、隊員が家族や愛する人たちにあてた手紙や遺品などが展示されています。私が、いつかみなさん自身に足を運んでほしいと思う場所のひとつです。あの場所で過去に触れると、平和は当たり前ではなく、多くの人の犠牲の上にあることを痛感します。平和を守り、次の世代につなげていかなくては、という気持ちが強くなります。
みなさんが本校で学べることは当たり前のことではないよ、と私は繰り返し伝えていますね。みなさんには、現状に感謝し、世界をつないでいくために勉学を深めてほしいです。
長い2学期の途中にはさいきょう祭が控えています。今日のスタートにあたり、『何事にも前向きに、全力で取り組むこと』、『高い目標、理想を掲げ挑戦を続けること』を胸に、ともに過ごしていきましょう。
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始業式に続き表彰・賞状伝達式が行われました。夏期休業中に生徒が参加・出場した各種大会の結果報告があり、対象の個人と部活動に校長から賞状が手渡されました。1学期終業式が急遽配信形式となってしまったため、そこで伝達予定だった分も併せての表彰式でした。
また、通学時の安全に気をつけることを目的に、バス会も開かれました。スクールバスおよび電車や駅など公共の場所を利用する際は、自分たちと周囲のみなさんのためにもルールやマナー遵守を徹底していきます。
表彰式/校長から労いの声をかけられ賞状を受け取る生徒
バス会/先生は「生徒同士、正しく注意することも大切」とも
7月19日(金)は1学期終業式でした。この日は全校を挙げて念入りに大掃除をした後、配信形式で終業式を行いました。
直後のホームルームでは、担任が校長講話の振り返りや、休み中の過ごし方について改めて言及。初めて通知票を手にした1年生は、中を見たくて少しそわそわ・・・。先生から、今学期のがんばりを称える賞状なども笑顔で受け取り、約1か月の夏休みに入りました。
【終業式・校長講話】
1年生は初めての夏休みにわくわくドキドキでしょうか。9年生はいよいよ勝負の夏休み。自分史上最高に自身を見つめ、勉強に取り組む夏になることを願います。
1学期始業式で伝えたこと―「自分に厳しく、他人に優しく」を徹底しよう―は実践できたでしょうか。学年や立場が違えば計画も様々ですが、生活習慣を崩さず、感染症や熱中症などにならないよう努めましょう。
この夏の私の楽しみは、パリオリンピック。3年前の東京大会で日本人選手団のメダルラッシュに沸いたように、今回も多くの選手の活躍に期待しています。
そのオリンピックのマークを考案し、「近代オリンピックの父」と呼ばれるクーベルタンという人がいます。彼が、少しずつ重なるあの五つの輪に込めた思いは何か。それは、スポーツの祭典を通じて人々が集まり、人種や文化の壁を超えた理解をもってつながり合い、平和に貢献しようというオリンピックの理想です。また、五輪と下地に使われている6色で世界のほとんど国旗が描けるのだということも、クーベルタン自身が話しています。
また、オリンピックにまつわる発言で、「重要なのは、勝つことではなく参加すること」というものがあります。クーベルタンはここに、ふたつのメッセージを込めたそうです。ひとつは、参加者に対して「五輪の理想を決して忘れるな」という思い。もうひとつは、すべての人に向かって「人生で大切なことは、成功はなく努力し続けることである」ということ。
世界中で様々な問題が起きている今、本来の目的と理想を胸に参加する選手がどんな努力をして、どんな苦難を乗り越えてあの場に立つのか。そういったことを知り、想像することは、みなさんがいろいろなことを学ぶ機会であり、オリンピックの見方を変えるかもしれません。競技に向かう選手の真摯な姿、ひたむきさから、人が人を感動させることができる姿というのはどういうものか―それを、みなさんに感じ取ってほしいです。
夏休みならではの経験を積んで、2学期始業式の日に元気な姿で戻ってきてください。成長したみなさんの姿を楽しみに待っています。
さいきょう祭(10月開催)のスローガンと全校合唱の曲が、7月16日(火)の全校集会で発表されました。
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◆ 実行委員長 比田井さんのコメント ◆
大切な発表が済んだところで、今から期待でいっぱいです。総合芸術の場であるさいきょう祭には、演技、歌だけでなく、演目を支える側にも大切な役割がたくさんあります。スローガン「輝」のもと、ぜひ一人ひとりが"自分の長所"を生かして当日を迎えられるよう願っています。
今年の生徒全員が、それぞれ持っている「才」を「いいね」と認め合い、一瞬一瞬を大切にし、当日を振り返ったときに、最後まで力を出し切った、やり切ったと思えるさいきょう祭にしましょう。
全校合唱で歌う曲は、Mrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」。頑張っている人、ちょっと辛い思いをしている人を後押ししてくれる楽曲で、歌っても聴いても勇気が出てきます。私たちが心をひとつにして歌うことで生まれる力で、聴いてくださる人の心を動かしたいです。
全校の前であいさつする実行委員長・比田井さん
吹奏楽部10名が、第64回長野県吹奏楽コンクールに出場しました。出場団体の中で最も少ない編成ですが、お互いの音を聴き合い丁寧に演奏することができました。審査員の先生方からは「冒頭のハーモニーが魅力的」「選曲が合っていてテンポリズムも安定していた」と嬉しい講評をいただきました。
結果は銅賞。限られた練習時間の中で、とても健闘したと思います。ここで見つかった課題は、今後の練習でしっかり乗り越えていこうと思います。
お忙しい中、会場に来てくださった保護者の皆様や先生方には、あたたかい声がけをいただきました。ありがとうございました。
この大会での経験を大切にし、2学期に控えているさいきょう祭などに向けて、演奏に磨きをかけていきたいと思います。これからも頑張ります。
吹奏楽部顧問
〈大会情報〉
第64回長野県吹奏楽コンクール
中学校の部中信地区大会B編成の部 銅賞
和田直也作曲 「フラワー・クラウン」
令和6年7月15日(土) キッセイ文化ホール
7月11日(木)、8年生を対象に乳幼児の発達について学ぶ特別授業を行いました。この「赤ちゃん先生クラス」のため、「ママの働き方応援隊信州中央校」から7組の親子が来校されました。
グループごと車座になり、ママ先生のお話にしっかり耳を傾けます。エコー写真を見て胎児の大きさを果物に例えてもらったり、出生時の体重と同じ重さをお米の詰まった袋で実感したりする中で、8年生は赤ちゃんの成長の速さに驚いていました。
赤ちゃん先生と自分の手足の大きさを比べたり、いつ頃、どんなことができるようになったのかを聞いたりもしました。赤ちゃんがどんどん成長し、リュックを背負う、自分で着替える・・・といったことが自分一人でできるようになっていくことは、当たり前のようだけれど、小さな積み重ねにほかなりません。
「赤ちゃんの1日」を図で見せてもらった生徒たちは「お母さんが自分の時間を持つタイミングはありますか?」「今、心配なことはどんなことですか?」などと質問。ママ先生から、「大変なことも多いけれど子育てから得られる楽しさも多い」と聞き、いまの自分たちがあるのもお母さんのおかげだ―と、感謝の思いが大きくなりました。
また、ある男子生徒が、「妊娠から出産までの間、旦那さんはどのようなサポートをしてくれましたか?」と、将来を見据えた質問をしました。「妊婦にとって自分や赤ちゃんのことで不安も多い時期でも、夫の気遣いに支えら乗り越えられた」と話してくれたママ先生。男子生徒は振り返りのコメントで、「自分がその立場になったとき、今回学んだことを忘れずに、しっかりサポートしたい」と書いていました。ほかにも、「街で妊婦さんや子連れのお母さんが困っていたら手助けをしたい」「優しい気持ちで接していきたい」と書いた生徒が多く、小さな先生たちから多くのことを学ばせてもらいました。
この時間のために写真や絵を準備し、中学生と対話してくださったママ先生と赤ちゃん先生のみなさん、本当にありがとうございました。
8年家庭科担当
7月11日(木)、1~5校時にわたり体育委員会主催のスポーツマッチが行われました。
5~9年で学年ごとに1時間ずつがスポーツマッチにあてがわれ、ドッジボールとドッジボールの派生競技「タスケ」でめいっぱい体を動かしました。スピードのあるボールを投げる子、ボールをうまく避ける子、果敢にキャッチする子、パス回しで相手に揺さぶりをかける作戦など、チームスポーツの醍醐味でもある仲間とのコミュニケーションも存分に楽しめたようです。勝っても負けても笑顔いっぱい、ナイスプレーの連続でした。
学期末、「体力向上」「運動に取り組む機会をつくる」と計画されたスポーツマッチ。企画・運営の中心となった体育委員会のスマートな統率力もすばらしかったです。みなさん、おつかれさまでした。
今学期の登校もわずかとなった7月10日、松本警察署の方をお招きし、5・6年生を対象にした非行防止教室を行いました。
万引きや泥棒は、れっきとした犯罪。たとえそれらをしたのが子どもだとしても、深く考えずにとった行動だとしても、罪に問われることがあると教わりました。人のものや学校のものを壊したり、何かに落書きしたりすることは器物損壊罪、直接・間接に関わらず誰かを傷つけるのは傷害罪―など、犯罪行為の事例と量刑にまつわる説明もありました。
「夏休みは、気持ちが大きくなったり緩んだりすることがある。自分も、家族や周りの人も傷つけず、正しく生きてほしい」と話したスクールサポーターの吉田さん。映像教材でも、「一度でも罪を犯すと、周囲の信用を失うなど自分が一番の被害者になる」という話がありました。
社会のルールを守ることは言うまでもありませんが、それに加えて「なぜルールを守らなければいけないのか」ということもしっかり考える1時間になりました。
卓球部
松本会場での団体戦は、男子9名、女子5名が出場。男子は予選リーグを突破し、決勝リーグに進みましたが、15校中9校に与えられる中信大会への切符はつかめませんでした。しかし、7年生(中1)が8戦8勝の活躍で、次につながる結果を得ることができました。
団体戦の翌週は男子8名、女子5名が出場した個人戦。団体戦の悔しさを胸に、9年生は「個人で中信大会へ」と意気込みましたが、勝ち星はあげられず・・・。7年生・丸山くんは年上の選手相手に健闘、ベスト32に入り中信大会に進みました。なお、丸山くんは、松本市ベスト16の選手に2ゲーム先取されるも3ゲーム奪取で逆転勝ちし、2回戦へ。第1シードの選手にストレートで敗れこそしましたが、中1で中信ベスト32は立派な成績です。
他校の選手と闘う中で、「あと1点、あと1ゲーム、あと1試合をどう取りきって勝つか」が、チームや個々の戦績につながってくることを改めて感じました。
9年生はこの大会を最後に引退となりましたが、この部で培った力を持ち味に、様々な局面を乗り越えてほしいです。
(卓球部顧問)
(画像内、赤いユニフォームが才教学園卓球部の選手)
【結果】
2024年度中信地区中学校体育大会
◎6月9日(土)松本会場①団体戦/安曇野市ANCアリーナ
男子 決勝リーグ11位、女子 予選リーグ敗退
◎6月16日(日)松本会場②個人戦/塩尻市ユメックスアリーナ
男子 丸山由真(中1) ベスト32
◎6月30(日) 中信大会個人戦/安曇野市穂高総合体育館
男子 丸山由真(中1) ベスト32
7月2日(火)、交通安全教室を行いました。全校を3グループに分け、登下校時や普段の生活において守るべき交通安全の基礎を教わりました。
自転車安全講習/4年
松本市役所交通部の方は、講話の冒頭で1枚のだまし絵を提示。「なぜそのようなことをするのだろう?」その理由は、「ひとつのことに集中すると、全体の中で見落とすものがある」からだそう。信号機の3色ライトの並び順、歩行者用信号の赤と青はどちらが上か・・・並び方を問われると、正解と不正解は半々くらい。毎日見ているようでも、意外と覚えていないことに驚いた4年生です。 「普段から意識しているかどうかが大事」という話でしたが、どうしてその順番・位置なのかを聞いて納得の表情。帰ってから、ご家庭でそのわけをお聞きになった保護者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
話は変わり、昨年、松本で起きた事故について。けがの報告があったものが約800件、物損(けがには至らない)事故は約8200件と、全部で9,000件にのぼり、一日あたり250件の事故が起きていることに! 20歳以下、高校生が多数との話ですが、そもそもこの地域で自転車を利用者するが人が多いことも一因のようです。とはいえ、数年後にはその年齢に到達する4年生は、真剣に耳を傾けていました。
このほか、1~3年生は「交通ルールと道路の安全な渡り方」について、5年生以上は交通ルール全般、安全な歩行や自転車等の利用、保険の話にいたるまで、たくさんの話をしていただきました。
「道路を使うのは自分だけではない。みんながきちんとルールを守れば事故は防げる。急いでいても、いったん"止まる"、しっかり周りを"見る"、安全だといえるまで"待つ"」ことを心がけて」という約束を、しっかり守りたいと思います。
松本市役所交通部と交通安全教育支援センターのみなさん、ありがとうございました。
交通安全教室担当より
自分の身を守るため、そして、周りの人を守るためにも、思いやりの心を持って、今後の交通マナーの向上に努めてほしい。
今回の話の中心、「とまる・みる・まつ」を忘れないこと。歩くとき、自転車に乗るとき、お家の人の車に乗るときも、です!
標識は、その色にもきちんと意味がある
自分の「利き目」はどっちだろう?